「脳性まひによる尖足で短下肢装具を作ることになったが、
デメリットはないのか不安。」
脳性まひにより歩行がむずかしい場合、
短下肢装具が歩行を助ける道具となります。
しかし、娘の20年間の装具生活を振り返ると装具に頼りすぎたのかもしれないと感じます。
装具を使わなかったらどうだったのか。
今となっては比較することはできませんが、
初めて小さな装具を作ってからの約20年間を振り返り、
装具に頼りすぎないことが大切と感じた理由をまとめました。
これから装具を作る、装具を日常的に使用している脳性まひ児のご家族のかたへ、一家族の体験談として少しでも参考になればうれしいです。
※ 医師やPT・OTの指導に代わるものではありません。
短下肢装具を作った当時と20年後の心の変化
つかまり立ちが安定してきた頃、
立位や歩行のリハビリの補助として作製しました。
短下肢装具には、尖足の矯正、拘縮予防といった役割もあります。
当時のわたしの装具のイメージは、
つかまり立ちが安定することから歩けるかもという期待で、
娘をサポートしてくれるパートナー、
強力な武器を手に入れたような気持ちでした。
それから約20年。
今の私は装具に頼りすぎたかなと感じているのです。
これまで使用した短下肢装具の種類と使用場面
使用した装具は大きく分けて3種類。
1、プラスチックAFO(継ぎ手なし)

足首が90度固定の短下肢装具(AFO)。
成長に合わせてつくりかえ、保育園の年中頃まで使用しました。
それ以降も寝ている間の尖足予防のため、夜間装具として作製。
2、金属支柱付き短下肢装具

プラスチック装具卒業後、年中頃から現在まで使用。
現在使用の装具は画像のものより厚底で重量もあり、
屋外でも履ける靴型。両足で約2キロあって重い。
3、ウォークオントリマブル
小学4年生で手術を受けた後、尖足が軽減した時期に購入。
足首の本来の動きの制限が少ない物として1年数ヶ月ほど使用。
簡易的な装具で軽いのが特徴です。
短下肢装具は1日のうちどれくらい履く?着用時間について
娘の場合は、家の中では使っていません。
園や学校生活では、屋内外ともに使用。
登校する朝8時~帰宅する17時ころまで。
社会人となった現在は、朝8時~19時ころまで。
1日のうち11時間くらいは装具を履いている。
保育園や学校、会社へ行くとき、
家以外ではいつも装具というイメージです。
装具に頼りすぎはよくない?デメリットは?
なぜ、装具に頼りすぎはよくないのか。
「必要だから作ることになったのに?」
親の立場で感じた生活面での装具のデメリットは、つぎの2つです。
- 履けない場所やタイミングがある
- 装具への精神的な依存
デメリット① 履けない場面が出てくる
1足の装具を数年間使うので、装具への負担も大きいです。
ふと装具の底を見るとゴム底が剥がれていて、
修理に出さなければいけなくなる。
学校では、校外学習などで土足厳禁の施設があるなど、
いつもどおりに装具を使用できない場面も出てきます。
また、大雨の日や積雪のある日は装具では外出ができない。
外出がむずかしいと感じます。
そんなとき装具以外の慣れている靴があればいいのですが、
いつも装具だからそんなものはありません。
初めての場所、条件が悪い道への不安が増すばかりです。
デメリット② 精神的な依存
装具を履けば安心できる。
そう言えば悪いことではないような気もしますが、
依存というとよくないことな気がしませんか?
修理期間中、装具なしで生活したから、
装具に頼りすぎないように
『疲れが出てくる週半ばから装具を履く』と決めたことも。
でも、いつの間にか装具を履くのが当たり前に戻っています。
これは単なる『慣れ』なのか、
それとも『装具がないと不安』という依存よりの気持ちなのか。
おわりに
「装具をつかわなかったらどうだったか」
はじめにそう書きましたが、
装具そのものを否定したいわけではありません。
当時のわたしは迷わず装具を作ったし、
歩行の助けになったことは間違いないと思う。
でも、あらためて装具の着用時間を数字にしたら、
1日のうち11時間はさすがに長い。
装具があるとつかまり立ちする姿は足が伸びて、
歩く姿も一歩一歩が力強いなと感じたあの日のまま、
ずっと過ごしてしまった。
もちろん必要な場面、頼る日があってもいいから、
そこに装具以外の靴という選択肢も残しておけるのが理想です。



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